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除雪は「命がけのスポーツ」?除雪の際の心臓のリスクと守り方

  • 執筆者の写真: 翔平 岸
    翔平 岸
  • 3 日前
  • 読了時間: 3分

こんにちは院長の岸です。

今年の長岡市は今のところ例年よりは雪が多くないようですが、今週は大雪が予想されています。 我々にとって冬場の雪かきは必要不可欠な行為ではありますが、あまりにもドカ雪が降ると、朝起きて外を見るのが憂鬱になります。実はこの「雪かき」、心臓にとっては驚くほどの負担がかかっていることをご存知でしょうか。

今回は、なぜ除雪が心臓発作を引き起こしやすいのか、そして命を守るために何に気をつけるべきかをお伝えします。

強い負荷となる雪かき(画像はAI生成)
強い負荷となる雪かき(画像はAI生成)

1. 雪かきは「全力疾走」と同じ負荷

研究によると、重い雪をスコップで持ち上げる作業をわずか10分間続けるだけで、心拍数は最大心拍数の97%にまで達することが報告されています。これは、スポーツジムでの全力のランニングや、心臓の負荷試験(トレッドミル検査)の限界レベルに匹敵します。

普段運動習慣のない方が、氷点下の屋外でいきなりこのレベルの激しい運動を行うことは、心臓にとって極めてハイリスクな行為です。


2. なぜ「冬の除雪」は心臓を狙い撃ちにするのか?

単なる重労働以上に、冬の除雪には心血管イベントを引き起こす複数の要因が重なっています。

  • 冷気による血管収縮: 冷たい空気を吸い込むことで反射的に血管が縮まり、血圧が跳ね上がります。

  • 腕の筋肉の負担: 雪かきは主に腕を使いますが、腕の運動は脚の運動に比べて、心臓により大きな負担(心筋酸素消費量の増加)を強いる特性があります。

  • いきみ(怒責): 重い雪を動かす際、無意識に息を止めて力むことで、心臓に急激な圧力がかかります。


3. 地元・新潟の研究:除雪が「急性心不全」の引き金に

新潟大学から発表された研究では、除雪作業がきっかけで「急性心不全」を発症するケースが詳しく報告されています。

驚くべきことに、それまで心臓病の既往がなかった方でも、除雪後に心不全(心臓のポンプ機能が急激に低下する状態)を起こす例が確認されています。これは、寒冷環境下での激しい運動が、私たちが自覚している以上に心臓を追い詰めている可能性を示しています。


4. 命を守るための「除雪5箇条」

  1. 早朝の作業を避ける: 起床直後は血圧が変動しやすく、心筋梗塞のリスクが高まります。

  2. 準備運動と防寒: 屋内で体を温め、首元や口元を隠して冷たい空気の刺激を減らしましょう。

  3. 「小分け」と「休憩」: 一気に片付けようとせず、こまめに水分補給と休憩を。

  4. 息を止めない: 重い雪を動かすときは、意識的に「ふっ」と息を吐きながら動かしましょう。

  5. 違和感があれば即中止: 胸の痛み、圧迫感、異常な息切れ、冷や汗が出たらすぐに作業をやめてください。


専門医からのメッセージ

今週は緊急警報がでるほどの大雪です。長岡で暮らす以上、除雪をゼロにすることは難しいかもしれません。しかし、ご自身の心臓の状態を知ることで、リスクを最小限に抑えることは可能です。

「最近、雪かきで息切れが強くなった気がする」「自分は大丈夫だろうか」と少しでも不安を感じたら、一度当院「心臓ドック」をご検討ください。循環器専門医として、皆様の健康な冬の生活をサポートいたします。


きしクリニック  院長:岸 翔平(循環器専門医・不整脈専門医) [Web予約はこちら]

[心臓ドックの詳細はこちら]


 
 

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