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院長ブログ


心房細動のカテーテルアブレーションの進化
新潟も梅雨明けし、ここ長岡市も連日35度を超えています。私が子供の頃は30度を超える日など8月に数えるほどしかなかったような気がします。異常な暑さですが、くれぐれも熱中症にはご注意ください。 さて、心房細動は今でこそカテーテルアブレーションによる治療が一般的なものとなっていますが、その背景には、多くの研究者や医師による努力と発見がありました。今日はその辺りを少し語って見たいと思います。 1.心房細動とは 心房細動 とは、心臓の心房が不規則かつ高速に興奮することで、効率的な血液の拍出ができなくなる不整脈です。心拍数の増加や不整脈に伴う動悸、息切れといった症状に加え、脳梗塞などの血栓塞栓症や心不全のリスクを増大させるため、適切な管理と治療が必要です。 2.治療の黎明期:薬物療法と外科的アプローチ カテーテルアブレーションが確立される以前は、心房細動の治療は主に 薬物療法 が中心でした。抗不整脈薬による心拍数やリズムのコントロール、および抗凝固薬による血栓塞栓症の予防が主な治療戦略でした。しかし、薬物療法では症状の改善が不十分な症例や、薬剤の副作用に悩
7月20日


心不全診療ガイドラインが改定されました
3月末に参加した日本循環器学会学術総会に合わせていくつかの診療ガイドラインが改定、発表されました。日本循環器学会では診療ガイドラインを無料で公開しており、私も日々の診療に役立てています。心不全診療ガイドラインは疾患が含む領域が多岐にわたることもあり、膨大な内容となっています。本ブログで紹介することも考えたのですが、内容が多いことや、図表などの引用は学会から許可を得なければならないとのことでしたので、断念しました。 本ガイドラインで特筆すべき内容として、一般の方々に知っていただきたい内容を平易な言葉で説明した「第16章 市民・患者への情報提供」です。内容は極めて薄い(失礼)ものですが、まずはなんとなくでも心不全という疾患を皆さんに知ってもらうことが重要なのだという学会の思いが伝わります。日本では高齢化に伴い当面は心不全患者が増え続けていくことが予想されており、心不全という疾患を一般の患者さまからご理解いただくための一助となるよう、本ブログで紹介させていただきました。個人的には図54の人生会議について説明したことは、非常に重要かつ画期的なものだったの
5月4日


21世紀は心不全と心房細動の時代
やや大仰なタイトルですが、これは私が言い出したわけではなく、1997年にBraunwald先生という循環器内科ではレジェンドの先生が、2000年代の心臓血管医学に対する展望という形で講演されたものをまとめられたものからの抜粋です。私自身は心房細動に対するカテーテルアブレーシ...
2月23日
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