心房細動
脈の乱れより怖いのは、
脳梗塞です
心房細動は、年齢とともに増える、とても身近な不整脈です。動悸や息切れで気づく方もいれば、まったく症状がなく、健診の心電図や、スマートウォッチの通知で初めて見つかる方も少なくありません。
心房細動そのものが、すぐに命に関わることは多くありません。本当に注意が必要なのは、心臓の中にできた血のかたまりが脳に飛んで起こる「脳梗塞」と、心臓が疲れて起こる「心不全」です。どちらも、適切な治療で防ぐことができます。
院長は日本不整脈心電学会認定の不整脈専門医です。心房細動の診断から、脳梗塞の予防、カテーテル治療のご相談、治療後の通院まで、一貫して診療します。
お持ちいただくもの
- 健診の結果用紙(心電図の結果があれば、あわせてお持ちください)
- スマートウォッチの心電図記録や、家庭用血圧計の記録(お持ちの方)
- お薬手帳(お持ちの方)
- マイナンバーカード、または資格確認証
※紹介状は不要です。病院でカテーテル治療を受けた方は、退院時の書類などがあればお持ちください。
なぜ脳梗塞になるのか
心房がふるえて十分に縮まなくなると、心房の中で血液がよどみ、血のかたまり(血栓)ができやすくなります。この血栓が血流に乗って脳の血管につまるのが、心房細動による脳梗塞です。
心臓でできる血栓は大きいため、脳の太い血管が突然つまり、広い範囲が傷みます。そのため、命に関わったり、寝たきりなどの重い後遺症が残ったりしやすいことが知られています。
心房細動のある方は、脳梗塞を起こす危険が約5倍に高まります。
一方、血栓を防ぐお薬(抗凝固薬)で、脳梗塞は約3分の2減らせます。
出典:Wolf PA, et al. Stroke 1991;22:983-8/Hart RG, et al. Ann Intern Med 2007;146:857-67
治療の3つの柱
01
脳梗塞を防ぐ
脳梗塞の起こりやすさは、ほかに持っている病気で変わります。特に、次のような方は危険が高くなります。
- 心不全がある
- 高血圧がある
- 75歳以上
- 糖尿病がある
- 脳梗塞を起こしたことがある
危険度に応じて、抗凝固薬(血液を固まりにくくするお薬)をおすすめします。近年は、食事の制限が少なく、脳出血などの重い出血も起こしにくい新しいタイプのお薬が中心です。
02
脈と症状を整える
速すぎる脈を落ち着かせるお薬や、正常なリズムを保つお薬で、動悸や息切れを和らげ、心臓への負担を減らします。
根本的な治療を目指せるのが、カテーテルアブレーションです。足の付け根から心臓に細い管を入れ、心房細動のもとになる異常な電気の通り道を治療します。心房細動が続いている期間が短い、早い段階で行うほど効果が高いとされています。
03
原因となる病気を整える
高血圧、糖尿病、肥満、睡眠時無呼吸症候群、お酒の飲みすぎは、心房細動を起こしやすくし、治療後の再発にも関わります。これらを整えることも、心房細動の大切な治療です。
症状がなくても、
見つけるために
ご自分でできること
- 検脈:手首の親指側に、人さし指・中指・薬指の3本を当て、脈のリズムを確かめます。数よりもリズムが大切です
- 家庭用血圧計:「不規則脈波」の表示が出たら、記録しておきましょう
- スマートウォッチ:心房細動の可能性の通知や心電図の記録があれば、画面を保存してお持ちください
当院でできる検査
- 心電図:受診時に脈の乱れを確認します
- ホルター心電図(24時間・7日間):受診したときには治まっている、ときどきしか出ない心房細動をとらえます
- 心臓超音波検査(心エコー):心房の大きさや心臓の動き、弁の状態を調べ、治療方針の判断に役立てます
- 血液検査:甲状腺の働きなど、心房細動の原因になる病気がないかを確認します
当院の診療の特徴
Point 01
不整脈専門医が診療します
日本不整脈心電学会認定の不整脈専門医が、心電図の読み取りから治療方針の決定まで行います。お薬で様子をみるか、カテーテル治療を考えるかも、専門的な立場からご説明します。
Point 02
出血の危険もふまえてお薬を選びます
抗凝固薬は脳梗塞を防ぐ一方で、出血しやすくなる面もあります。年齢・腎臓の働き・体重・ほかのお薬などを確認し、脳梗塞を防ぐ効果と出血の危険のバランスを考えて、お一人おひとりに合ったお薬と量を選びます。
Point 03
カテーテル治療の相談から、治療後まで
カテーテルアブレーションが適している方は、地域の基幹病院(立川綜合病院)へご紹介します。治療を受けたあとは当院で、再発がないかの心電図チェックや、お薬の調整を続けます。
Point 04
生活習慣病もまとめて
高血圧・糖尿病・脂質異常症・睡眠時無呼吸症候群など、心房細動に関わる病気も、同じ医師がまとめて診療します。再発しにくい体の状態を、一緒につくっていきます。
心房細動についてよくあるご質問
症状がないのですが、治療は必要ですか?
症状がない方でも、脳梗塞の危険は症状のある方と同じようにあります。脳梗塞の危険が高い方には、症状の有無にかかわらず抗凝固薬をおすすめします。まずは危険度を評価しますので、一度ご相談ください。
スマートウォッチで「心房細動の可能性」と表示されました。
スマートウォッチの通知は、心房細動に気づく大切なきっかけになります。ただし、通知だけでは診断できないため、医療機関の心電図で確認が必要です。通知の画面や心電図の記録を保存して、受診の際にお見せください。受診時に治まっている場合は、ホルター心電図で詳しく調べます。
血液をサラサラにするお薬を飲んでいます。気をつけることはありますか?
自己判断で中止すると、脳梗塞の危険が高まります。飲み忘れにも注意してください。歯科の治療や手術、内視鏡検査などを受ける際は、抗凝固薬を飲んでいることを必ず担当の医師に伝えてください。鼻血や歯ぐきの出血が止まりにくい、便が黒いなどの出血のサインがあれば、早めにご相談ください。
カテーテル治療を受ければ、お薬はやめられますか?
治療がうまくいけば、脈を整えるお薬は減らしたりやめたりできることが多くあります。一方、抗凝固薬は、治療後の経過や脳梗塞の危険度をみて、続けるかどうかを判断します。治療後の通院で、一緒に確認していきます。
そのほかの不整脈(期外収縮・発作性上室性頻拍など)や検査については、不整脈外来のページをご覧ください。
気になる症状は、早めのご相談を。
「歳のせいかな」と思っていた息切れが、心臓のサインであることもあります。
長岡のかかりつけ医として、お待ちしています。