禁煙外来を開始します。
- 8 時間前
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こんにちは。院長の岸です。 当院では、このたび「禁煙外来」を開始することにいたしました。

喫煙の「害」と、私が向き合ってきた現実
私はこれまで勤務医として、心筋梗塞や脳梗塞により重篤な後遺障害を負った方や、下肢閉塞性動脈硬化症のため足を切断した方など、喫煙を続けた結果として辿る厳しい現実に、何度も立ち会ってきました。
厳しい指導の裏にあった思い
そのような過酷な現場にいたからこそ、当時の私は、禁煙できない患者さんに対してあえて「厳しい言葉」を投げかけることがありました。 「このままだと命に関わりますよ」「なぜ自分の体を大切にできないのですか」と。
今振り返ると、その厳しさは「なんとかして救いたい」という焦りや無力感の裏返しでもありました。もちろん、その強い言葉がきっかけで禁煙に成功した方もいらっしゃいます。ですから、当時の指導がすべて無意味だったとは思いません。
しかし一方で、厳しい言葉に傷つき、相談しにくくなってしまった方もいたのではないか……という思いも、私の中に葛藤として残っています。
だからこそ、開業した今の私は、「厳しさ」だけでなく、「医学的な選択肢」を適切に活用することで、もっと患者さんの負担を減らしながら禁煙を支えていきたいと考えています。
ニコチン依存症は「脳の病気」です
そもそも、タバコをやめられないのは「意志の弱さ」のせいではありません。 ニコチンが脳の受容体に結びつき、快感をもたらす物質を放出させる……この仕組みができあがってしまう「ニコチン依存症」という病気なのです。
病気である以上、根性だけで解決しようとするのではなく、適切な治療を行うことが大切です。
当院での治療(チャンピックス)について
当院の禁煙外来では、主に「チャンピックス(成分名:バレニクリン)」という飲み薬を使用します。このお薬には、主に2つの作用があります。
「吸いたい」という欲求を和らげる 脳内のニコチン受容体に作用し、禁煙に伴うイライラや離脱症状を軽減します。
「吸っても美味しくない」と感じさせる もし治療中にタバコを吸ってしまっても、以前のような満足感を得にくくさせる効果があります。
お薬の力を借りることで、「必死に耐え忍ぶ禁煙」ではなく、より自然な形でタバコを手放せるようお手伝いします。
おわりに
タバコの害は、確かに無視できないほど深刻です。 ですが、今はそれを乗り越えるための医学的な手段があります。
かつての私のようにただ厳しく促すのではなく、「どうすれば無理なく続けられるか」を共に考え、サポートいたします。 過去に禁煙に挑戦してうまくいかなかった方も、どうぞお気軽にご相談ください。




